月経不順・多毛・にきび・体重増加の背景に、PCOS(近年、国際的にPMOSへと改称)やインスリン抵抗性が隠れていることがあります。この病気は「ホルモンと代謝の問題」であり、婦人科的な視点だけでなく、代謝・内分泌の面から診ることが大切です。

院長 内藤 久美子

監修

院長:内藤 久美子

さっぽろ大通内分泌クリニック/内分泌・糖尿病・女性ヘルスケアの3つの専門医

月経の乱れを「体質だから」で片づけていませんか?

月経不順に、多毛・にきび・体重増加などが重なるとき、その背景にホルモンや代謝の乱れが隠れていることがあります。

PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)とは?

PCOSは、月経不順・排卵のしにくさ・男性ホルモンの影響(多毛・にきび)・卵巣の変化などがみられる状態です。比較的若い女性にも多くみられます。

PCOSは「PMOS」へ——名称が変わった理由(2026年)

2026年、国際的な合意により、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)はPMOS(Polyendocrine Metabolic Ovarian Syndrome=ポリエンドクリン・メタボリック卵巣症候群)へと改称されました。Monash大学を中心とする世界的な専門家・患者団体による、長年の議論の結果です。

名称が変わったのは、「多嚢胞性(のう胞)」という言葉が誤解を生んでいたからです。超音波で見えるのは本当の“のう胞”ではなく発育の止まった卵胞であり、この病気の本質は卵巣だけの問題ではありません。インスリンや男性ホルモンなど複数のホルモン(polyendocrine)と、代謝(metabolic)の乱れが関わる全身の状態です。旧名称は、診断の遅れやスティグマにもつながっていました。

当院は、この病気をまさに「ホルモンと代謝の問題」として捉え、内分泌・代謝の視点から診療しています。新しい名称が示す方向性は、当院の診療の考え方と一致しています。

PCOS(PMOS)と代謝——見逃されやすいつながり

この病気の背景には、インスリン抵抗性(インスリンが効きにくい状態)があることが多く、体重増加や将来の糖尿病リスクにつながります。新名称「PMOS」が『代謝(metabolic)』を含むのは、このためです。月経の問題としてだけでなく、代謝・内分泌の視点で診ることが大切です。ここは当院の得意とするところです。

どんな検査をするの?

血液検査でホルモンや血糖・インスリンなどを確認します。必要に応じて超音波検査や婦人科との連携を行います。月経に影響する甲状腺などの病気もあわせて確認します。

どう向き合う?

生活改善と体重管理が土台になります。将来の妊娠や糖尿病を見据えて、無理なく続けられる形で管理していきます。必要に応じて婦人科と連携します。

妊娠を考えている方へ

この病気は妊活とも関わります。妊娠前に代謝やホルモンの状態を確認し、体重を整えておくことが役立ちます。婦人科と連携しながら進めます。

こんな方は一度ご相談を

  • 月経不順が続いている
  • 多毛・にきび・体重増加が気になる
  • PCOS(PMOS)と言われたことがある
  • 妊娠を考えていて代謝が気になる

よくあるご質問

PCOSとPMOSは違う病気ですか?

同じ病気です。2026年に国際的な合意で、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)はPMOS(Polyendocrine Metabolic Ovarian Syndrome)へと改称されました。「卵巣ののう胞の病気」ではなく「複数のホルモンと代謝が関わる病気」であることを、より正確に表した名称です。

月経不順はPCOS(PMOS)のことがありますか?

月経不順の背景にこの病気があることがあります。ホルモンや代謝の血液検査で確認します。多毛・にきび・体重増加を伴う方は特に一度確認を。

PCOS(PMOS)があると糖尿病になりやすいですか?

背景にインスリン抵抗性があることが多く、将来の糖尿病リスクは高めです。新名称が『代謝』を含むのもこのためです。早めの生活改善と定期的な確認が大切です。

PCOS(PMOS)は何科ですか?

婦人科のほか、当院のような内分泌・代謝を扱う内科でも相談できます。ホルモン・血糖・甲状腺の面から確認し、必要に応じて婦人科と連携します。

妊娠を考えていますが、PCOS(PMOS)と言われました。

この病気は妊活とも関わります。妊娠前の代謝・ホルモンの確認や体重管理が役立ちます。婦人科と連携しながら進めます。

気になった方はお気軽にご相談ください

札幌・大通で、女性ヘルスケア専門医が、更年期や月経・ホルモンの不調を、同じ女性の立場で親身に診療します。Web予約で待ち時間を抑えて受診いただけます。