原因不明の疲れ・むくみ・体重の変化が続くとき、その一因が甲状腺の病気であることは少なくありません。血液検査と超音波で調べられ、治療で楽になる場合があります。
その不調、「年齢のせい」で片づけていませんか?
「疲れがとれない」「顔や足がむくむ」「食べる量は変わらないのに体重が増えた」。こうした症状は、忙しさや年齢のせいと考えて我慢されがちです。そう思うのも無理はありません。ただ、これらは甲状腺の働きが落ちているサインであることがあります。
甲状腺機能低下症(橋本病)とは?
甲状腺は、のどぼとけの下にある小さな臓器で、全身の代謝を整えるホルモンを出しています。このホルモンが不足した状態が甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)で、その最も多い原因が橋本病(はしもとびょう)という、女性に多い甲状腺の病気です。
代謝を上げるホルモンが足りなくなるため、体全体の動きが「省エネモード」になり、次のような症状が出ます。
- 疲れやすい・気力がわかない
- 寒がりになった
- むくむ(顔・まぶた・足)
- 食事量は同じなのに体重が増える
- 便秘、肌の乾燥、髪が抜ける
- 気分の落ち込み、集中力の低下
- 月経が重い・不規則になる
更年期・うつ・貧血とどう違うの?
ここが多くの方が迷うところです。甲状腺機能低下症の症状は、更年期・うつ・貧血などと重なり、見た目だけでは区別がつきません。逆に、甲状腺の働きが上がりすぎる病気(バセドウ病など)でも、動悸・汗・イライラといった更年期に似た症状が出ます。
大切なのは、症状の名前を推測することではなく、血液検査や甲状腺の超音波検査で原因を確かめることです。「更年期だと思って何年も我慢していた不調が、甲状腺の治療で軽くなった」というケースは珍しくありません。
どんな検査をするの?
体への負担が少ない2つの検査で、かなりのことがわかります。
- 血液検査:甲状腺ホルモンとTSH、必要に応じて甲状腺の自己抗体を調べます
- 甲状腺超音波(エコー)検査:甲状腺の腫れやしこり(結節)の有無を確認します
当院ではこれらを院内で行っています。
治療は? 一生薬を飲むのですか?
甲状腺機能低下症の治療は、不足したホルモンを飲み薬で補うのが基本です。適切な量に調整すれば、これまでどおりの生活を送れます。
「一生飲み続けるの?」というご質問はとても多いのですが、答えは原因によって変わります。橋本病などで持続的に低下している場合は継続することが多い一方、産後や一部の甲状腺炎による一時的な低下では、回復して薬が不要になることもあります。だからこそ、まず検査で原因を確かめることが第一歩です。
こんな方は一度ご相談を
- 健診で甲状腺の数値(TSHなど)を指摘された
- 疲れ・むくみ・体重増加が理由なく続く
- 「更年期かな」と思う不調が長引いている
- 妊娠・妊活を考えていて甲状腺が気になる
よくあるご質問
- 甲状腺の病気は何科を受診すればいいですか?
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甲状腺の病気は、内分泌内科(甲状腺内科)が専門です。健診でTSHなどの甲状腺の数値を指摘された方、疲れ・むくみ・動悸・体重の変化が続く方は、内分泌の専門医のいる医療機関の受診をおすすめします。当院では血液検査と甲状腺超音波検査を院内で行い、診断と治療方針のご相談ができます。
- 更年期と甲状腺の症状はどう違いますか?
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更年期と甲状腺の病気は、疲れ・気分の落ち込み・体重の変化・むくみ・動悸など、症状が大きく重なるため見分けがつきにくいのが特徴です。ただし甲状腺の病気は、血液検査(TSHなど)や超音波検査で判別できます。更年期だと思って我慢していた不調が、実は甲状腺が原因だったというケースは珍しくありません。
- 甲状腺の検査はどんなことをしますか?
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主に血液検査と甲状腺の超音波(エコー)検査を行います。血液検査では甲状腺ホルモンやTSH、必要に応じて甲状腺の自己抗体を調べます。超音波では甲状腺の腫れやしこり(結節)の有無を確認します。いずれも体への負担が少ない検査です。
- 甲状腺機能低下症の薬は一生飲み続けるのですか?
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原因によります。橋本病などで甲状腺の働きが持続的に低下している場合は、不足したホルモンを補う薬を続けることが多いですが、適切に調整すれば普段どおりの生活を送れます。一方、産後や一部の甲状腺炎による一時的な低下では、回復して薬が不要になることもあります。まずは検査で原因を確かめることが大切です。